「希望する配慮等」、「当事者(社員)への可能な配慮等」とは

発達障害の方はできる部分と出来ない部分の差が激しく、しかもそれが周囲からだけでなく、実はご本人からも見えづらいのが特徴です。ですから企業側が発達障害者に最初から最適な配慮を与えたり、また発達障害者本人から具体的に必要な配慮を要求することは、実は簡単ではありません。以下にあげる配慮の具体例を参考に、日々のやり取りの中でより良い環境を作り上げることが大切です。

集中を妨げない

ASD(自閉症スペクトラム障害)に特有の五感過敏や、ADHD(注意欠陥多動性障害)に多い注意散漫や集中力欠如に対策が必要になる場合があります。
  • 作業に集中しやすいデスクなどの配置
  • 騒音、電話、強い匂い等集中を妨げるものの少ない環境
  • 勤務中にマスク、サングラス、ヘッドホンなど五感過敏を緩和するツールの装着を許す

個々人の認知力、体力や体調に合わせる

周囲になかなか馴染めない疲れやすい集中が続かない、などの傾向にも対処が必要な場面があります。
  • 人の顔を見分けることが難しい場合のあることを周囲が理解しておく
  • 写真付きの名簿を用意する
  • 休憩時間を他の人とは別の時間に取れるようにする
  • 昼寝を認めたり、体力に合わせて就業時間や日数を調整できるようにする

明瞭なコミュニケーション

発達障害の方は想像力が弱い場合が多く、シロクロのはっきりしたコミュニケーションを好みます。また、不確かな部分があると必要以上に不安やストレスに感じることも多いようです。業務上のやり取りを円滑に運ぶためには、以下のような対策が有効です。
  • 指示系統を簡略化する
  • 手伝う人や指示をする人の範囲を明確にする
  • 仕事の依頼は具体的に、簡潔に
  • 優先順位を明確に伝える
  • 仕事の全体像や見通しを伝える
  • 既定部分と未定部分をはっきりさせて伝える
  • 変更などは極力事前に予告しておく
  • 質問の機会を与える
  • 報告の要点をメモやメールで伝えるよう促す
  • つまずき、悩みを聞く機会を設け、解決方法を助言する
  • マニュアルを活用する
  • 図、写真、動画等、視覚情報優勢をいかしたツールを活用する(参考:TEACCH法)

良好かつロジカルな人間関係を築く

発達障害の方はロジカルなやりとりを好み、いわゆる「体育会系のノリ」が苦手です。休憩時間の雑談や終業後の飲み会などに無理に加わらなくてもよいことを伝えると楽になる方も多いようです。
「こだわり」が強く、自分独自の方法を貫きたいと主張するケースもよくありますが、いわゆるホウレンソウを徹底し結果が素晴らしければ、「こだわり」が見逃される可能性も高まります。また、信頼関係を築くためには、当事者が障害のために「できない部分」にばかりとらわれて自尊心を損なうことなく、「できる部分」に磨きをかけ、職業人として、また本来の人間的な魅力を向上させる努力をすることも大切です
同じように受け入れる側の企業も、ホウレンソウと結果さえ問題なければ本人のしたいようにさせ、周囲があまり本人の「こだわり」にこだわらないことも必要です。また、障害のために「できない部分」ばかり見てことさらに問題視するのではなく、「できる部分」をしっかり評価し、人間的な魅力を見つける姿勢も重要です
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